FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

経営透明度向上への法改正(新聞記事)

今日の日経新聞に、オリンパスや大王製紙の不祥事を受け、政府・民主党が企業経営の透明度を高めるための方策を改正会社法などの盛り込む方向で検討に入った旨の記事が掲載されていました。
会社法、金融商品取引法、取引所規則、検査体制と広範におよぶ対策が検討されるようですが、このなかで、会社法関連で検討されている①社外取締役の設置の義務付け、②監査役の機能強化について触れてみたいと思います。

社外取締役とは、株式会社の取締役であって、現在及び過去において、当該株式会社またはその子会社の代表取締役・業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他の使用人ではないものをいいます(会社法2条15号)。現行法では委員会設置会社における委員会では、その委員の過半数が社外取締役である必要があります(400条3項)。
これに対し、政府・民主党は、委員会設置会社に義務付けられている社会取締役をその他の機関設計を採用する会社にも義務付けることを検討しているものと思われます。
それでは、現状の委員会設置会社の社外取締役は、客観的立場から経営監視機能を十分に発揮できているか。必ずしもそうとはいえません。社外取締役の定義を見ていただければわかるように、社外取締役の要件として、親会社からの人材の受け入れは排除されていません。子会社の業績は親会社の業績と直結するケースも多い中、客観的立場から経営監視機能を発揮できないおそれもありえます。社外取締役として適切な人材を外部から得にくいという実務上の制約も確かにあるかもしれませんが、改正の趣旨を貫徹させるならば、できる限りこうした抜け道を防ぐことが重要かと思われます。

次に監査役の機能強化ですが、実は、過去何度にもわたって監査役の機能強化の必要性が説かれ、また、実際法改正が行われてきました。だから「またですか?」って印象が強く、多少食傷気味な感じがします。記事によれば、会計監査人の選任権限を取締役会から監査役会に移すことが検討されているようです。これなんか、私が監査法人にいたころからずっと議論されていたことで、何をいまさらって感じがしますが、やらないよりやったほうがよいでしょう。でも、記事では触れていませんが、現行法でも、監査役には、会計監査人の選任、報酬には同意権があります。ですから、その気になれば、いくらでも会計監査人の選任について、社内で議論をまきおこすことは可能です。要は、制度も問題ですが、もっと大きな問題は取締役、監査役の意識の問題でしょう。コーポレートガバナンスの問題に限らず、内部統制にしろ、人事評価制度にしろ、なにか制度、仕組みを作り上げたしても、最後はそれを運用する人の意識が決定的に重要になります。いくら制度を緻密にところで、それを運用する側で制度趣旨をしっかり消化していないと当初目指した機能が発揮できません。

では、実質的に監査役の機能を強化するにはどうすればよいのでしょうか。監査役の形式的な年功序列型の人事を止めることも大事ですが、やはり、最後は株主による取締役・監査役の監視しかないでしょう。例えば、決算の粉飾が行われた場合は、株主は取締役・監査役の責任をしっかり追及していく。それにより、取締役間及び取締役と監査役の間にはいい緊張関係が生まれるでしょう。また、粉飾防止のため、監査役は、会計監査人の選任、必要とすべき報酬について真剣に考えざるを得なくなるでしょう。
このような「あるべき姿」になるために、株主、取締役、監査役の意識が変わるには、あとどれくらいの年月を要するのでしょうか。制度改革は条文を作直せば済む話なので簡単ですが、人々の意識は、そう簡単に変わるものではありません。ちょっと気が重くなってきちゃいました。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

木村総合会計

Author:木村総合会計
木村総合会計のブログにようこそ。
このブログでは、仕事にかぎらず、いままで、日々感じたこと、思いついたことを、形式ばらず、ざっくばらんに書いていけたらとおもっています。
今後ともよろしくお願いします。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。